【名前の通り帰ってくるという(テレビだけど)】エディ・マーフィ主演映画:ブーメラン

2019年3月12日

地上波放送のラインナップからチョイスしてレンタルで観るシリーズ。

今回はエディ・マーフィとは懐かしい。はい、もう「ビバリーヒルズ・コップ」を映画館で観た世代です。当時、ずいぶんオシャレ(笑)な映画を背伸びして観に行ったつもりになっていました。若さゆえの思い込みであります。

だけど、エディ・マーフィ。この頃はあまり名を聞かなくなったけれど、エディ・マーフィ。郷愁もそそる、やはり自分の中では大スターであれば、ちょい観てみたくなった次第であります。

以下、ネタバレを含みますことをご了承ください。

【こんな映画なんだ】ブーメラン、原題はBoomerangってまんまやん

公開は1992年。もうそんな昔の作品になるんですね。
映像で見る限りでは、記憶の中にあるエディ・マーフィそのものの姿であります。昔へ還らせる姿に、初めて見る過去の作品の利点を感じます。

けれどもエディ・マーフィの黄金期といえば、80年代であることは間違いない。

人気といった面でみれば下降線に入ろうかという時期の第一弾に当たる作品かもしれない。
パラマウント社と契約作品の最後が、この『ブーメラン』だったことを鑑みれば尚更です。

 

【鑑賞当初】エディ、このオンナがいいの?

ともかくラブコメである。コメディベースながら、謎や命のやり取りがあるでもない。難しく考えて観る必要などないのだ。

は、いうものの!

エディ!もといマーカス(役名)、ジャクリーンなんてオンナが本当にいいのか?確かに新任の上司だ、仕事もできそうだ、人間としての魅力も大いにあるのだろう。

だが、これはラブコメだ、ロマンスを夢へ昇華して欲しい話しなのだ。

なんというか、ジャクリーン。極端すぎる喩えであるのは重々承知で言わせてもらえば、相手の首を喰い引きちぎっても驚かない見目である。おいらだけかもしれないが、いいオンナというよりホラーテイストが強い顔立ちにしか見えないのだ。

仕事も出来て、取っ替え引っ替えできるほど女性からモテモテのエディ、もといマーカスの趣味がよく分かりません。

【と、思ったら】えっ、そうくるか。さすが、エディ!

なんか同じ会社で働くお姉さん(アンジェラという)のほうがぜんぜんイイおんなに見えるなぁ、なんて思っていたら……。

なんと、エディじゃないマーカスがアンジェラといい仲になってしまうではないか!

なんで、こんなに驚くかというと、アンジェラをマーカスが友達に紹介して交際している事実を承知したうえでの行為だからである。

まったく口説いた相手とは一晩きりだったり、友達のカノジョと知りながらやっちゃたりとか。もう本当に事実婚は4回以上、子供が10人目(2018年時点)のエディらしいよ。
と、いった中の人とイメージを被せしまうこととは別にして、マーカスという下手すれば不快な主人公をエディは憎めなく演じてしまうのです。ネットでなら悪逆非道と罵られる所業を「許されてしまうキャラクター」にしている。さすがエディ・マーフィといったところです。

【実は】感動したところは恋愛よりも友情だ

アンジェラを演じたのは、ハル・ベリーか。2000年以降に出演した作品くらいしか記憶になかったので、若き日を見られて良かった。もともと綺麗な女優さんだが、若い頃はかわいさが勝っている感じです。いいもの見せてもらいました(笑)

しかしながら、この作品で一番に好きだったシーンは主人公とヒロインの絡みではありません。

エディ演じるマーカスがアンジェラと付き合っていた友達と和解するところですか。もう一人の親友も含めた三人で幼い頃からの付き合いであることを確認し合うようにハグしあう場面に、じんっときた。
時には喧嘩したり、カノジョを取り合ったりしながら友情は深めていくものです。ロマンス映画上で語るにはなんですが、恋愛ごときで友情が途切れるようならば、所詮はその程度の関係なのです。

愛は消えても、友情はなくならないのだ!でも、この作品はそういう映画ではありませんことをここに注記としておきます。

【よく出来た作品ではないが】条件次第では、オススメできる

気楽に最後まで観られる作品だが、出来で考えるとそう優れたものではない。
映画とは人生そのものだといった賢明な視線をもって鑑賞するならば厳しい内容である。

が、デート・ムービーとして捉えてみよう。

この作品の弱点は、はっきりしている。
実はヒロインだったアンジェラへ至る過程が弱いのだ。
最後のオチにつながる主人公とヒロインが再びやり直す場面に強さがない。

つまり誰が観ても不満点が判然としているため、意見の一致をみる可能性が非常に高い。マニア、いやはっきりオタクと言わせてもらう。つい自説を強く述べてしまう傾向があるだろう、相手が引くほどに(イタタタ、我が身に突き刺さる)。
そうした失敗は犯し難いという意味では良い映画と言えるのではないだろうか。

【最後に】人種差別とタイトル通り帰ってくるブーメラン

2018年度公開映画『ブラック・パンサー』が黒人でほとんど締められた制作態勢で行われたことが話題になりました。未だに話題になるところが人種差別の根の深さを感じます。

ライトな感覚で鑑賞できるとされる『ブーメラン』にも、以下のようなシークエンスがあります。

「白い玉で黒い玉を撃ちぬくとゲームが終わる。これはおれたち黒人を差別しているのさ」
「なるほど、ステージが緑色なのは地球を表しているのか」
「つまりそういうことだよ」
「地球も昔は平らだと思われていたわけだしな」

エディ演じる主人公とそのお友達三人でビリヤードをやっている際の会話です。友人同士だからこそ交わせる内容です。

社会最先端で颯爽と活躍する姿を、ブラック・ピープルだけで描いたことが『ブーメラン』という映画の最大の意義だったかもしれません。日本ではなかなか理解しにくい側面ですね。

、決まったところで(笑)

『ブーメラン』このタイトルもダテじゃかった!
なんと、テレビ・シリーズで帰ってくるという。2019年に放送予定って、27年ぶりかよ、四半世紀を越えてだよ!

後世に残るような傑作ではなかったけれど、「なんとなくだけど憶えている」作品だったのが幸いしたか。
もしテレビシリーズも機会があるならば観てみたい気がします。全10回ぐらいと長くなさそうのも、良いポイントです(シーズン化したりして。ウケると有りになるから海外ドラマはコワい)。